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国内サーバーの容量は海外の30倍 — 73社を集計して分かった「容量競争」の実態

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レンタルサーバーの比較表を眺めていると、容量の数字が目に飛び込んできます。500GB、700GB、1TB。多いほど良さそうに見えます。

ところが当サイトのデータベースで73社の容量を集計したところ、そう単純な話ではないことが分かりました(2026年8月時点の確認内容)。国内と海外で、数字の桁がまるで違うのです。

集計結果:国内300〜700GB、海外10GB

共有サーバー56社の容量を並べたところ、国内と海外がほぼ完全に分離しました。

容量帯社数国内海外
10GB以下15社0社15社
15〜25GB8社0社8社
50〜100GB12社7社5社
200GB以上18社18社0社
無制限と表記3社0社3社

200GB以上の18社は、すべて国内サービスでした。 逆に25GB以下の23社は、すべて海外サービスです。ここまできれいに分かれる項目は珍しく、単なる偶然とは考えにくい分布です。

最も多かった値は10GBちょうどで13社。国内の主要どころを並べると、景色がまったく違います。

サービス容量月額(最安)
お名前.comレンタルサーバー1TB2,398円
シンレンタルサーバー700GB1,078円
XServerビジネス700GB3,762円
ヘテムル600GB1,430円
エックスサーバー500GB990円
コアサーバー500GB430円
ロリポップ!350GB330円
ConoHa WING300GB678円
さくらのレンタルサーバ300GB500円
ABLENETSSD 300GB485円

対する海外は、Kinsta・WP Engine・SiteGround・Bluehost・20iがいずれも10GB。Hostingerが20GBです。

330円のロリポップが350GB、月額数千円のWordPress専門サービスが10GB。 桁で言えば30倍以上の差がついています。

この差は性能差ではない

まず押さえておきたいのは、容量が多いほうが優れている、という話ではないということです。差が生まれる理由は主に3つあります。

1. 国内市場の数値競争

日本のレンタルサーバー市場では、容量が長く比較軸として使われてきました。比較表に並ぶ以上、少ないと見劣りします。結果として、実需とは関係なく数字が引き上げられてきた面があります。

2. 海外はリソース設計の思想が違う

海外、特にWordPress専門のサービスは、容量ではなく**「月間訪問数」「サイト数」で料金を分ける**設計が主流です。容量はあくまで付随的な条件で、10GBあれば通常のサイトは足りる、という前提で組まれています。

3. 保存されるものが違う

国内サービスはメールも同じ領域に含めることが多く、Webサイトだけでなくメールデータの蓄積も見込む必要があります。実際、CPIは「Web 300GB+メール200GB」、カゴヤは「Web・MySQL 100GB+メール80GB」のように内訳を明記しています。

実際どれくらい使うのか

判断の材料として、目安を挙げます。

  • 記事中心のブログ — 画像を毎回数枚入れて100記事書いても、多くは数GB以内に収まります
  • 写真を大量に扱うサイト — 圧縮せず高解像度で載せると一気に増えます。ここは要注意
  • 動画をサーバーに直接置く — 数十GB単位になります。ただし通常は動画配信サービスを使うので、サーバーには置きません
  • 独自ドメインメールを長年運用 — 添付ファイルが積み重なると無視できない量になります

つまり、多くの個人ブログや小規模サイトでは10GBでも足ります。 国内の300GBは、大半の利用者にとって使い切ることのない数字です。

逆に容量を気にすべきなのは、写真素材を大量に置くサイトと、メールを何年も溜め続ける法人です。この2つに当てはまるなら、内訳の書き方まで確認する価値があります。

それでも国内サービスを選ぶ理由

ここまで読むと「海外の10GBで十分では」と思えますが、実務ではそう単純にいきません。

海外サービスには、日本語サポートがない、日本円での請求ではない、日本からの通信距離が遠いといった条件が付きます。容量以外の部分で不便が出るため、容量の多さだけを理由に国内を避けるのは筋が悪いです。

国内サービスを選ぶ理由は容量ではなく、日本語で問い合わせられること、決済が国内に対応していること、日本国内にサーバーがあることです。容量はたまたま多く付いてくるおまけと考えるのが実態に近いでしょう。

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容量表記で確認すべき3点

数字だけを見ると誤解が生まれます。契約前に次の3つを確認してください。

1. メールとWebが共用か、別枠か

共用の場合、メールが増えるとWebに使える領域が減ります。CPI・カゴヤ・WinServerのように内訳を分けて書いている会社もあれば、合計だけを示す会社もあります。つかえるネットは「Web・メール・DB合計。個別の容量制限なし」と明記しています。

2. 支払い方法で容量が変わることがある

WebARENA SuiteXは「年一括払い時300GB、月払いは400GB」と、支払い方法で条件が異なります。珍しい例ですが、こういう但し書きは見落とされがちです。

3. マルチドメインで扱いが変わることがある

CPIは、マルチドメインで1ドメイン追加するごとに別途Web 100GB+メール100GBが付く方式です。複数サイトを載せる予定なら、総量ではなくドメインあたりの扱いを見てください。複数運用の考え方はマルチドメインの使い方にまとめています。

「無制限」をどう見るか

集計では、容量を無制限としていた会社が3社ありました(InterServer、Hostwinds、Web Hosting Canada)。3社とも海外のサービスで、国内には無制限を掲げる会社がありませんでした。

無制限表記は、額面どおりには受け取れません。多くの場合、規約に通常利用の範囲内という趣旨の条件が置かれています。この構造は転送量の「無制限」と同じで、転送量無制限は本当に無制限かで詳しく扱っています。

無制限だから安心、ではなく、規約の但し書きまで読んで初めて条件が分かると考えてください。

結論:容量は判断軸として優先度が低い

73社を並べて見えたのは、容量の数字がサービスの実力を表していないということです。10GBの海外サービスが月額数千円で、350GBの国内サービスが330円という逆転が普通に起きています。

サーバー選びで先に見るべきは、速度・サポート体制・料金・バックアップ条件です。容量は、写真を大量に置く予定があるか、メールを長く溜めるかという具体的な当てがあるときだけ確認すれば十分です。

スペック全体の読み方はサーバースペックの見方を、選び方の優先順位は初心者向けの選び方を参照してください。

よくある質問

ブログを始めるのに何GB必要ですか?

記事中心のブログであれば、100記事書いても数GB以内に収まることが多く、10GBあれば当面足ります。国内サービスの300GB以上という容量は、多くの個人ブログでは使い切りません。容量よりも速度やサポートで選ぶことをおすすめします。

容量が足りなくなったらどうなりますか?

上限に達すると、新しいファイルのアップロードやメールの受信ができなくなります。多くのサービスでは上位プランへの変更で解決できます。まずは不要な画像やバックアップファイル、溜まったメールを整理すると空くことが多いです。

海外サーバーの10GBで足りますか?

通常のサイトなら足ります。海外のWordPress専門サービスは、容量ではなく月間訪問数やサイト数で料金を分ける設計だからです。ただし日本語サポートがない、決済や通信距離の条件が異なるといった点は別途考慮してください。

容量は多いほど速いのですか?

関係ありません。速度に効くのはストレージの種類(SSDかNVMeか)、Webサーバーの構成、キャッシュの仕組みです。容量の大小は速度と無関係です。速度を比べたいなら高速化技術の比較を見てください。

メールとWebで容量は分かれていますか?

サービスによります。共用の会社が多く、その場合メールが増えるとWebに使える領域が減ります。CPI・カゴヤ・WinServerのように内訳を明記している会社もあります。独自ドメインメールを業務で使うなら、この点は確認する価値があります。

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